エルフニストのアローラ手記

対戦オフの身内感について

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はじめに

 こんにちは、菊一文字です。

 このブログ記事はおよそ半年前に書きかけていたものなのですが、今回その書きかけを仕上げて載せることにしました。

 なぜ書きかけのまま途中でやめてしまったのかというと、どのような形であれ、仮にも対戦オフの運営に関わっている人間が「身内感」という言葉を出すのはそれだけでよろしくないと考えていたからです。

 しかし一方で、いつか自分の考えを話したい、という気持ちもあり、しばらくオフのスケジュールが空いている年末のタイミングに今回の記事をあげることにしました。この記事で少しでもオフの運営側・参加者側の意識を変えられたら、と思っています。

 ただし、毎度ながら記事の内容は根拠のある分析や考察ではなく、僕の経験と勝手な思い込みです。そのため、僕が関わるオフ会を代表する考えを示したものでは全くありません。その点にご注意いただいた上で先へお進みください。

 

身内感とは

  Twitterは現在ポケ勢にとって重要なコミュニケーションツールの1つですが、そのタイムライン上におよそ3ヶ月に一回ほど「身内感」という言葉が出てきます。この身内感という言葉は、「対戦オフには身内感があるので良くない、参加しづらい」という誰かのツイートからその是非を議論する形で話題になります。その議論になるたびに「身内感があるのは運営側の問題だ」、「いや参加者側の意識の問題だ」、「そもそも身内感とは何なのか」などいろいろな意見が飛び交いますが以前解決には至っていません。(TL上の議論が解決するわけはないのですが)。今回はその身内感についてこの記事で考えていきたいと思います。

 考えていくにあたって、まず「身内感」を定義しなければなりません。定義のしかたは人によって異なると思いますが、ここでは「対戦オフ会の運営-参加者間や参加者-参加者間に存在する一体感のある独特な雰囲気」とします。おおよそこれで外れてはいないと思います。この身内感に対して嫌悪感や疎外感を覚える人がTwitter上で度々対戦オフを批判するのです。

 先に述べておくと、対戦オフに身内感はあります。ただし、「身内感がある」という言い方は正確ではなく、「身内感を感じる人がいる」というのがふさわしいでしょう。先ほど定義したように身内感は雰囲気なので、モノのようにある・ないと言うことはできません。つまり、気をつけてほしいのは「自分は対戦オフに身内感を感じないから、身内感なんてものは存在しない!」という意見は通用しないということです。身内感を感じる人は一定数いて、身内感というものは何らかの形で存在するということをまずは認めましょう。

 身内感を生む具体的な行動としては、オフ会の朝の参加者挨拶でそのオフの常連客にしか伝わらない内容を話したり、普段と申請名を変えることで仲の良い参加者にだけ誰だかわかるようにしたりする、などが挙げられます。

 では、対戦オフの運営や参加者はなぜ身内感を生むような行動をとってしまうのでしょうか。これを説明するため、次に「内集団びいき」という言葉を紹介します。

 

内集団びいきとは

 そもそも、身内感は対戦オフ特有のものなのでしょうか。もちろんそんなことはありません。学校や職場、サークル等で身内感と似た雰囲気を誰しも感じたことがあると思います。中高生がよく言う「野球部のノリがウザい」などは対戦オフの身内感によく似ています。

 このようなどこにでもある身内感を説明する言葉が「内集団びいき」です。内集団びいきとは、

 

自分の属する集団(内集団)に対してはより好意的な知覚や協力的行動をとり、それ以外の集団(外集団)に対しては非好意的な対立的・競争的行動をとる

 

というものです。

 例えば、体育教師が直接的に顧問などではなくても運動部に所属する生徒(内集団)を優遇し、文化部に所属する生徒や帰宅部の生徒(外集団)を冷遇する原因は内集団びいきがはたらいているためだと考えられます。

 内集団びいき、つまり身内感による対立、これは人が集まる場所で自然と生まれてしまう心理学的に説明がつく現象です。決して運営や参加者の意識の低さの問題ではありません。その意味で対立は必然だと言えます。

 さらに、現在関東の対戦オフの対戦参加者定員は100人前後に設定しているところが多く、その半数以上を様々な対戦オフに複数回参加している常連者が占めています。つまり、既に内集団はオフとオフを超えて形成されており、全体の参加者に対してその割合が高いため、対戦オフは内集団びいきが起こりやすい、身内感を感じやすい状態にあると言えます。もっと言えば、運営と参加者の距離が近い対戦オフでは運営-参加者間で内集団が形成されるので、運営に対して外集団にあたる参加者はほぼ必ず身内感を感じることになっていると思われます。

 では、身内感はどのように解消すれば良いのでしょうか。

※対戦オフにおける集団間の利害関係については特別ここで言及しませんが、例えば、運営と参加者という立場の違いを考えると、その利害関係の存在は容易に想像できると思います。

 

 

身内感を解消するには

 身内感による対立、つまり集団的葛藤の解消には「集団間の上位目標の設定」が有効であることがシェリフらのサマーキャンプ実験によって明らかにされています。せっかくなのでこのサマーキャンプ実験についてもご紹介します。

 まず、2グループのこども達をキャンプに連れて行きます。この時、どちらのグループとも、もう一方のグループの存在を知りません。それぞれのグループはテントを張ったり食事を作ったりすることで仲間意識を持ち始め、内集団を形成します(実験の第一段階)。

 内集団が形成された後、お互いのグループに相手グループの存在を認知させます。するとグループ同士で対立が起こり、相手のテントを荒らしたり、罵り合ったりするようになります(実験の第二段階)。

 ここで、2つのグループが協力しなければならない課題を与えます。例えば、道を開けるために大きな岩をどかしたり、水を得るために井戸を掘ったりなどの問題を2つのグループに協力して解決させます。すると、グループ間の対立は解消され、キャンプ終了時には同じバスで仲良く帰ることができた(実験の第三段階)という実験です。

 これを対戦オフに置き換えると、例えば対戦ブロックごとをチームとして、ブロック対抗クイズ大会などを行い、常連参加者や運営スタッフと初参加者が協力して課題に取り組むことで身内感はある程度解消されるはずです。

 実際、うまくいくのかどうかはまだ試せておりませんがもし身内感を解消したいというオフ運営スタッフの方がおりましたら、このようなアクティビティの導入をお勧めします。重要なのは、複数人(参加者全員が最も望ましい)が協力して課題にあたることです。

 

 

おわりに

 今回はポケ勢で話題に上がる身内感について自分なりに考えてみました。オフ運営側に向けた解決策も提案しましたが、僕がこの記事で最も伝えたいのは

 

身内感が出てくるのはある程度仕方ないことで、決して運営が悪いわけでも、参加者が悪いわけでもない!!

 

ということです。このことを全員が知っておくだけでも無駄な対立や嫌悪感はかなり解消されると思います。

 

 最後に宣伝です。

 現在、菊一文字は関東の2つの対戦オフでスタッフとして関わらせていただいております。

saburocup.hatenablog.com

daimonjioff.hatenablog.com

どちらもより良い対戦オフになるように、自分なりですが日々活動しています。特に大文字オフでは副主催を務めているため、自分の考えをしっかり反映させるようにしています。

第2回大文字オフは2019/3/3に開催予定です!ふるってご参加ください!

 

 ここまで読んでいただきありがとうございました。良いお年を。